地島天然わかめ収穫体験会レポート

地島天然わかめ収穫体験会レポート

地島のわかめはとてもおいしくてなめらか。収穫量も限られることもあり、人気のわかめで入手が難しいと言われます。どんなところでこのわかめが育っていて、どんな作業を経て商品になっているのか、とても興味がありました。
冬が終わり春に移り変わる頃、地島周辺は春の風に悩まされます。でも、この風も海のものを育てるのには大切なんだということを教わりました。漁師さんたちも心待ちにするわかめ漁を、ぜひ間近で見ていただきたいということで、わかめ収穫体験会を行うことになりました。祈りが通じて、当日は風も波も穏やかで快晴でした。よかった!

長靴を片手に集合されたみなんさんとフェリーに乗り込み20分程度で地島に到着。すでに漁から戻られて水揚げされた大量のわかめがこんもりと黒光りする山のように見えます。今日は出漁できてよかった!岸ではそれぞれグループになって作業されています。普段静かな印象のある地島の岸ですが、わかめ漁はずいぶんと賑やかになるようです。

参加者の皆さんもいくつかのグループになって作業に入っていただきました。「こうして、こうして、こおするとよ。」地島のお母さんたちが教えてくれますが見よう見真似で、なかなかうまくいきません。はじめは、めかぶと赤葉を切り落としかごの中へ放り込みます。まつぼっくりのような形にも見える立派なめかぶに驚き。「赤葉って何?」いろんな会話が始まりました。

続いては、小屋の中で茎抜きの作業をしました。親指の爪を茎の際に引っ掛けて茎と葉を分けます。わかめ漁の時は親指の爪を切っては作業しづらくなるので切らないのだそうです。ビニール手袋ごしではすべってうまくいきませんので、直に触りながら作業します。これが難しくて、島の方たちのようにすーっとはいきません。最初はおしゃべりしながらでしたがだんだん無口になり、いつの間にか親指に集中していた参加者のみなさん。90分ほどの作業で、肩がこりっこりに。茎と葉に分けられ、手際よく束ねられていきました。

終わったあとは、白身魚の入ったわかめの味噌汁と椿油ごはんのお弁当でお腹を満たしました。とれたてのめかぶも荒めにたたいて食べました。わかめに酢味噌を合えると大人っぽい味でおいしい、とか、わかめは味噌汁で煮込んではもったいない、など島のお母さんアドバイスもいただきました。めかぶはゆでたあとに叩かずに、直火で炙ってもおいしいのだそうです!

復路のフェリーまでの時間、地島内を少し散策し島の猫たちとたわむれました。帰り際には、漁師の方々にわかめのお土産もいただきました。「また遊びにきんしゃい」と声をかけていただいて、参加者の皆さんの表情も和やかに。心もおなかも満たされた、ちょっと早い地島の春の一日でした。