宗像市北部にある地島の南東海域には、玄海灘と響灘がぶつかり合い、常に潮が立っている特別な場所があります。
この場所を曽根(そね)といい、海面はいつも白波がたち目で確認できます。
水中では、二つの流れがぶつかることで対流が起き、小さな泡が上昇しています。対流によって、そこに生育するわかめは常に葉を広げ立ち上がったような状態になります。浅瀬で、太陽の光を全体で吸収できること、たくさんの気泡による空気の層など恵まれた環境がそこにはあります。

ここで育つわかめは、色目もよく、歯ごたえがよくその上なめらか。海の栄養をたっぷりと含み、その美味さといったら格別です。板わかめに加工されて、毎年、宗像大社を通じて皇室に献上されているということも有名です。

日本では安定供給のために養殖わかめを生産される海域も多いようですが、宗像地島は海流の影響もあり養殖地には適さないそうです。漁師の方々は、天然のわかめの生育を見守り、時期を見定め、貴重な資源が枯渇しないように収穫していきます。当たり前すぎていまさら言葉にはしないけれど、大切な海を島で育てていくという気持ちで漁に出られます。

海を育てるには 山が必要なんや
雨も降らないかん 風もふかないかん
自然のもんがおかしゅうなると 海もおかしゅうなる

地島で海と向き合っているひとりの漁師の方が目尻の乾いたシワをきゅっとさせ 海を遠くみつめながら話してくださいました。

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